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2018年6月26日の大崎裕史の今日の一杯

東京都中野区鷺ノ宮

6月21日の「今日の一杯」では、ラーメンの鬼・故佐野実さん創業の「支那そばや」(戸塚・新横浜)で23年働いたお弟子さんの独立店を紹介した。
鷺ノ宮の「すぎ本」も「支那そばや」出身である。
2013年12月に独立オープンしており、2017年・2018年と2年連続でミシュランのビブグルマンに選ばれている。講談社発行の「第18回TRYラーメン大賞」(昨年10月発行)でも醤油・塩2部門で入賞している。
そんなに評価されても、さらにその上を目指す店主で、その進化はとどまらない。製麺所を変えたと思ったら、今年は佐野さんが使っていた製麺機を譲り受け、4月から自家製麺に切り変わったのである。「餅は餅屋」という言葉があるように、「麺は製麺所へ」という店も少なくない。麺を作る時間があったらスープに手間暇かけたい、という考えだ。でも「すぎ本」は次の高みを目指した。麺も自分で手掛けたい。そんな思いが実現できたのは、隣の物件が空いたからでもある。製麺機を入れてもまだ余裕のある部屋にはテーブル席を置いた。今までカウンターのみだったために入りにくかった家族連れにも対応できる。ゆっくり食べてもらうことも出来る。ただ、そうすることでスタッフもさらに必要になる。いろいろとリスクも出てくる。そんな壁があるにも関わらず、「次」へ舵を切ったのだ。
数日前に醤油らぁ麺を食べた。正直、完璧とは思えなかった。やはり、自家製麺はそんな簡単にはできないのか?そんな疑問を少し持ちながら、今回は塩らぁ麺750円にしてみた。昔は無かったと思うのだが、ワンタン2個100円というのがあったので「これはいい!」と思わず注文。塩ワンタンらぁ麺だとワンタンが4個入るのだが2個くらいがちょうど良い気分の時もある。それがまさに今日だった。このメニューは嬉しい。
今回は麺もスープも具も、何もかも問題無く、実においしく完食完飲。前日に他の店2軒で塩ラーメンを食べてきたが、胸をズキュンと打たれるくらいウマかった。醤油もおいしいが、塩の方がウリになるのではないか、と思えるほどに私はここの塩が好きだ。
こうして「ラーメンの鬼」のこだわりや品質はお弟子さん達に確実に受け継がれていくのである。

お店データ

らぁ麺 すぎ本

東京都中野区鷺宮4-2-3(鷺ノ宮)

支那そばや店主・佐野実のお弟子さんのお店。3年半修行。師匠とは違う味で勝負。鶏主体のスープに麺は全粒粉入りのしなやかな麺。

大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。